このビールが道を開いた。

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今、弊社のエニブリュでは、
長野県佐久市の「ヤッホーブルーイング」の特集を
開催しています。

ヤッホーブルーイングと言えば、
今やこの世界で知らない人はいない、
「よなよなエール」を広めた業界の第一人者。

斯く言う僕も、この業界に足を踏み入れたきっかけは、
このよなよなのリアルエールだったんです。

思い起こせば….

2004年の冬でした。
当時バーテンダーだった僕は、
メルシャンの軽井沢蒸留所に行くツアーに、
(今は稼働していませんが)
参加することが決まっていました。

当時の経営していたBARでは、
樽生ビールと言えばハイネケンとギネス。
正直、ビールについては知識はあっても、
積極的に扱ってはいない状況でした。

ある日、来店したお客様にそのツアーを話すと、

「軽井沢によなよなっていう、
炭酸のないイギリスのスタイルのビールが

あるらしいですよ。」

と教えられました。

炭酸がない? どうやってサービングする?
そもそもどんな味なんだ?

その「聞いたことのない情報」に、
一気に惹きつけられてしまった僕は、
次の日、ネットでその情報を探し、
遂にはブルワリーへ電話をして、
見学を依頼してしまっていました。
(この辺りが昔から唐突すぎるんですよね…笑)

ツアーも途中で抜けてしまう暴挙ですが、
なんとか、お話を聞いてくださって、
快諾をいただきました。

当日お会いしたのは写真の、
当時のヘッドブルワー石井敏之さん。
(現 Ishii Brewing CEO /GUAM)
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この方は、サンディエゴのSTONEで修行を積まれた、
本物のアメリカンブルワー。
そのことものちに知ることになるのですが、
何より、このビールを作られた第一人者が、
当日の見学に付き添っていただいたことが、
僕のこのあとの人生を一変させることに。

クラフトビールのブルワリー見学も初のこと。
エールスタイルのビールしか仕込まれていない。
カスク(樽)内でコンディションするビールがあること。
見るものすべてが驚きの連続。

最後にロビーのカウンターで、
初めて見るハンドポンプから注がれた、
よなよなリアルエール。

スタイルはペールエールですが、
それまで僕が飲んでいた輸入物のエールとは、
全く比べ物にならない香りと複雑な味わい。

炭酸がないとか、注がれる様、
そしてグラスのルックスも含めて、
「革命的」な出来事だったんですね。

「なんだ? この世界観は…」

そしてこれは地ビールではなく、
「クラフトビール」であり、
英国スタイルではなく、
今のアメリカのスタイルなんだと教えられた時、
もうそのビールを扱いたくて仕方なくなった。

翌月には、堺市という、
誰もクラフトビールをしらない町に、
よなよなのハンドポンプがやってきました。

しかも石井さん自らがやってきてくれて、
ハンドポンプをカウンターに設置してくれ、
コンディションと注ぎを教えてくれた。

それ以降クラフトビールとの対峙が始まります。
いくら説明しても、飲んでもらっても、
一向に売れない日々が続きました。
それでも諦めずにいられたのは、
やっぱりあの一杯の衝撃があったからです。
そして、石井さんと出会ったこと、
「造り手が側にいてくれる」この世界が、
なんとも素敵に思えていたからです。

あれから13年も月日は流れていますが、
こうしてクラフトビールの専門店を立ち上げて、
ハンドポンプこそ今の僕の店にはなくなりましたが、
こうして思い出深い「よなよなエール」を今も提供できること、
本当に幸せなことです。

どんな仕事にもきっかけや、
やるに値する動機があるものですが、
僕は今もこのスタート体験を大事にしています。

美味しいビールは美味しく作ってくれる醸造家がいて、
僕らはそのビールを預かり、
その思いを込めた品質を守らなくちゃいけない。
今も、そう思って一杯のビールを注いでいます。

巻頭の写真は開店当時のエニブリュにあったハンドポンプ。
昨年、現サーバーに変更するまで8年間、
カウンターで頑張ってくれていました。

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